パデルボールの空気圧:FIPルールが実際に定めていること
ほとんどのパデルボールはテニスボールと同じく加圧されていますが、公式ルールには使えるpsi値がありません。FIPは空気圧を「2.54平方cmあたり」4.6〜5.2 kgとしていますが、この単位は書かれたままでは成り立たないため、ネット上の細かいpsi値はFIPによるものではありません。FIPが明確にテストしているのはバウンドです。2.54 m(100 in)から落とした新球は、135〜145 cm(53〜57 in)跳ね返る必要があります。
スマホでパデルボールをテストFIPルールが空気圧について実際に定めていること
国際パデル連盟(FIP)は、パデルのルール(Rules of Padel)とボール認証手続き(Ball Certification Process)でボールについて定めています。どちらの文書にも同じ空気圧の記述があり、ボールの内圧は「2.54平方cmあたり4.6 kg〜5.2 kg」でなければならないとされています。
2回読むと問題がはっきりします。圧力は面積あたりの力ですが、「2.54平方cm」は標準的な面積ではありません。1インチである2.54 cmと、1平方インチを取り違えたように見えます。仮にそうだとしても、その数値が外気圧との差なのか絶対圧なのかがルールに書かれておらず、それだけで答えは大きく変わります。
FIPが何を意図したのか判断できないため、私たちはpsiやbarには換算しません。そこから計算した数値は、単位についての推測に頼ることになります。
では、ネット上のpsi値はどこから来たのか
多くのパデル関連のページには、パデルボールは約10〜11 psi、テニスボールは約14 psiと書かれています。しかし、どちらの数値もFIPの文書やボールメーカーの仕様には見つかりませんでした。
テニスのほうの数値も間違っています。テニスボールのルールを定めるITFは、新しいプレッシャーボールは通常、大気圧より10〜13 psi(70〜90 kPa)高いとしています。14 psiという数値は、一部の加圧器の製品ページに出てくるもので、ITFのルールにはありません。
パデルボールの空気圧がテニスボールより少し低いのは本当かもしれません。Playtomicなどのサイトもそう述べています。しかし出典のある数値を公表した人はいないので、私たちは未確認として扱います。
パデルボールの規格をテニスと並べて比較
| パデルボール(FIP) | テニスボール、タイプ2(ITF) | |
|---|---|---|
| 記載された空気圧 | 「2.54平方cmあたり」4.6〜5.2 kg(単位が不明確) | 通常、大気圧より10〜13 psi(70〜90 kPa)高い |
| テストでの落下高さ | 2.54 m(100 in) | 2.54 m(100 in) |
| 跳ね返り、新球 | 135〜145 cm(53〜57 in) | 135〜147 cm(53〜58 in) |
| 直径 | 6.35〜6.77 cm(2.50〜2.67 in) | 6.54〜6.86 cm(2.57〜2.70 in) |
| 重さ | 56.0〜59.4 g(1.98〜2.10 oz) | 56.0〜59.4 g(1.98〜2.10 oz) |
| 高地用ボールの跳ね返り | 121.92〜135 cm(48〜53 in) | 122〜135 cm(48〜53 in) |
| ノンプレッシャーボール | 認められる。7 kPaまで、60日なじませる | タイプ2として認められる。7 kPaまで |
| 9ゲーム相当の再現テスト後の耐久基準 | 跳ね返りの変化は4.0 cm(1.6 in)まで | 跳ね返りの変化は4.0 cm(1.6 in)まで |
空気圧の数値よりバウンドが大事な理由
密閉されたボールに穴を開けずに空気圧計を差し込むことはできず、穴を開ければ空気が抜けてしまいます。そのため実際には、プレーヤーもラボもバウンドでボールを判断します。FIPの認証手続きでは跳ね返りを測定し、校正された目盛りとデジタルビデオカメラを使うよう勧めています。
空気圧とバウンドは密接に関係しています。プレッシャーボールから空気が抜けるほど、バウンドは低くなります。そのためドロップテストは、同じ床、同じ高さ、同じ温度という同じ条件同士で比べる限り、空気圧計の代わりとして十分に役立ちます。
数値の感覚をつかむと、テストの高さ2.54 mから落とした新球は135〜145 cm跳ね返ります。FIPのルールで中央の高さが88 cm(34.6 in)と定められたネットの上端からなら、換算した推定値は約47〜50 cm(18.4〜19.8 in)です。
高地用のパデルボール
高地では外の気圧が低いため、海抜に合わせて加圧されたボールはよく弾みます。FIPはそうしたコート向けに、跳ね返りが121.92〜135 cmと低い別のボールを認めています。
どこから適用されるかは、あまりはっきりしていません。パデルのルールでは「1000 mを超える」とされています。ボール認証手続きでは、ある箇所では「800 mを超える」、表の注記では1,219 m(4,000 ft)とされています。山岳地帯でプレーするなら、どのボールを使っているかを協会やクラブに確認してください。
ノンプレッシャーのパデルボール
FIPは、内圧が7 kPa以下で60日間なじませたノンプレッシャーのパデルボールも認めています。ノンプレッシャーのテニスボールと同じく、空気ではなくゴムから弾みを得ているため、同じようには空気が抜けて弾まなくなることはありません。
空気圧計を使わずにパデルボールをチェックする方法
- 開けたばかりの缶から、チェックするボールと同じブランド・同じモデルのボールを1つ取り、基準にします。
- 壁際や四隅にたまる砂を避けて、コートで最も平らで硬い場所を探します。
- 2つのボールを並べ、ボールの下端を中央で88 cm(34.6 in)のネットの上端に合わせて持ちます。
- 同時に手を離します。押したり回転をかけたりしないでください。
- 最初のバウンドを見ます。新球ならおよそ47〜50 cm(18.4〜19.8 in)まで上がるはずです。2つのボールの間にはっきりした差があるかを見ます。
- 手の離し方のばらつきを除くため、左右の手を入れ替えて3回繰り返します。
- それぞれのボールを握ります。新球よりずっとへこむボールは空気が抜けています。これはドロップテストの裏付けに使い、代わりにはしないでください。
- バックガラスに何球か打ってみます。空気が抜けたボールは、手元に返ってこずに壁際で失速します。
気温でパデルボールの空気圧は変わる?
少し変わり、それはバウンドに表れます。暖かい空気は冷たい空気より強く押し、温かいゴムは反発が増します。ITFはテニスボールについて、高温でバウンドが高くなると指摘しており、そのため公認テストは20 °C(68 °F)で固定して行われます。パデルボールも同じ作りなので、同じことが当てはまります。
1度あたりバウンドがどれだけ変わるかの信頼できる数値は、パデルでもテニスでも見つかりませんでした。実践的なルールは簡単で、同じ温度でボールを比べることです。冷えた車から出したボールは、同じ時期に開けたものでも、温かいバッグに入っていたボールの隣では弾まないように見えます。
缶を開けると空気圧はどうなる?
密閉された缶の中では、ボールは加圧された空気に囲まれているので、ボールから空気を押し出す差はわずかしかありません。缶を開けると周りの空気は通常の気圧に下がり、空気がゴムを通って抜け始めます。ふたを戻しても、缶の中も通常の気圧になっているので効果はありません。空気漏れを止めようとするのは、ボールの周りの気圧を再び上げる加圧器だけです。
BallCheckの役割
BallCheckは、空気圧の結果であるバウンドを、スマホのマイクで測定します。スマホをコートに置いてネットの高さからボールを落とすと、各バウンドのタイミングを計り、あなたのコートタイプでの新品のパデルボールと比べます。100点満点のスコアと、使用継続、加圧、使用終了の判定が出ます。パデルの床は砂や人工芝によって大きく異なり、基準値はラボの条件を前提にしているので、まず自分のコートで新球を1つ落として調整してください。無料のウェブ版は、今日からブラウザで使えます。
よくある質問
パデルボールは何psiですか?
FIPは使えるpsi値を公表していません。ルールでは「2.54平方cmあたり」4.6〜5.2 kgとなっていますが、この単位は書かれたままでは意味をなしません。ほかのサイトのpsi値はFIPによるものではありません。
パデルボールはテニスボールより空気圧が低いのですか?
その可能性はあります。いくつかのパデル関連サイトはそう述べていますが、裏付けとなるFIPやメーカーの数値は見つかりませんでした。確かな公式の違いはバウンドで、パデルボールの上限は145 cm、標準的なテニスボールは147 cmです。
パデルボールの空気圧を自宅で測れますか?
直接は測れません。空気圧計の針で空気が抜けてしまうからです。同じ床で新球と比べるドロップテストが実用的な代わりになります。
パデルボールはすべて加圧されていますか?
ほとんどがそうです。FIPは内圧7 kPa以下のノンプレッシャーのパデルボールも認めています。
加圧器はパデルボールにも効きますか?
ボールの周りの空気を高い気圧に保つという、テニスボールと同じ原理で働きます。どれだけ効果があるかを示す独立した公開テストはありません。パデルの加圧器のガイドをご覧ください。
出典
- FIP: Rules of Padel
- FIP: Ball Certification Process
- ITF: Balls (equipment sheet)
- ITF Rules of Tennis 2026 (Rule 1, Rule 3 and Appendix I: The Ball)
- Playtomic: Differences between padel and tennis balls
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